【ジョジョSS】アブドゥル「安価で奇妙な冒険がしたい」

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1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:03:05 ID:kZmbzbXP0
私の名はモハメド・アブドゥル
どこにでもいる普通の占い師だ
しいて言えばスタンドという不思議な力を扱えるってことだろうか

今日も路上に椅子と机を置いて占いをしている

日は落ちたが、まだ日中の名残りで溶け込むような暑さが残っていた
タロットを持つ手に汗が滲んでいるのに気付き、私は布の裾で手を拭う

>>2「占ってもらおう」

お客のようだ






2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:05:50 ID:rZj/CLPRO
DIO

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:08:39 ID:bTY7j3fP0
アブドゥルだとSBRのラクダ乗りになっちゃうぞ
細かい事だがアヴドゥルな

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:14:49 ID:kZmbzbXP0
>>4
すまん これからは気を付ける

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:13:42 ID:kZmbzbXP0
DIO「占ってもらおう」

金髪の男が私の目の前に座っていた
組んだ足の上に右腕を載せ、その手首で頭を支えている
とてもリラックスした様子で、男は私に話しかけてきた

DIO「どうした? 報酬を前払いにしろとでも言うのか?」

恐ろしいことに、私は相手が話し出すまで、まるでその存在を認識できていなかった
平時から通行人の観察を怠ったことは無く、相手が椅子に座った瞬間には職業・年齢・家族構成まで完璧言い当てるこのアブドゥルが、だ

男は長財布を取り出して机の上にお札を数枚置いた
――私の店先に提示されている代金の十倍以上は確実だ

DIO「何を怯えているのだ さあ、占ってもらおう」

アヴドゥル「え、えぇ いいでしょう」

情けない話だが、声が震えていた 気づかないうちに、私はこの男に呑まれていたのだ
先ほど拭いたばかりの手には、早くも汗の粒が浮かんでいた

アヴドゥル「では>>9で占いましょう」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:15:22 ID:bTY7j3fP0

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:26:42 ID:kZmbzbXP0
アヴドゥル「では勘で占いましょう」

DIO「勘か 普通なら一笑に付して貴様の一生を終わらせてやるところだが……」

男の語調に乱れたところは無く、とても安らいだ表情だった
占い師である私には分かる この反応は、死を身近なものとしている者の其れである

DIO「今日は機嫌が良い 占ってみろ お前の勘とやらでな」

オレンジ色に統一された服、大きく開いた胸元から覗く力強い筋肉
色彩心理学の範囲では、オレンジは女性の好む色であり、安心と安定を表す色とされる

だがエジプト古代文明においてオレンジは砂の色であり、忍耐と闘争の象徴である

アヴドゥル(考えろ私……外したら、殺される!)

安心と闘争 相反する二つの属性は、目の前の相手にあってはどちらも正しいと私の経験が囁く

アヴドゥル「では手始めに、あんたの機嫌が良い理由を言ってみましょう」

この瞬間のスリルはとても心地よい
論理と直感を繋ぎ合わせ、占いを相手に告げる時は、何年やっていても緊張する

アヴドゥル「あなたの機嫌が良い理由 それは…… >>16です」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:28:09 ID:+s6Gmdz1O
エルメェス兄貴のパンティーを貰った事

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:28:38 ID:bTY7j3fP0
時が止められるようになった

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:28:45 ID:msugDJVW0
血が実に馴染んでいるからです

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:32:09 ID:n5aU7W220
これはどうなるんだろう…

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:41:00 ID:kZmbzbXP0
背筋がまっすぐと伸びる 私の体を完全な直線が貫き、その延長が天に届く
背骨が酷く人工的なものに感じられ、しかし不快感は無い

舌が回る 口が動く 私を通して、太陽の如きエネルギーが顕現する

アヴドゥル「血が実に馴染んでいるからです」

何を言っているのか分からないが、体が勝手に動いていた こういう神懸かりになることも一度や二度ではない

心地よい浮遊感が抜け落ち、言い終わってから私の体の感覚が戻っている
幽かに男から血の匂いがしている気がした

DIO「ふふ……ふっふっふっ ふははは」

男はゆっくりと、そして徐々に高く大きく笑い始めた
表情を崩した笑いには、未だに気品が同居しており、美しさと同時に気味の悪さを覚えた

DIO「モハメド・アブドゥル 噂に違わぬ良い占い師だ」

DIO「一流の占い師は、辺り触りの無い言葉を使いながら相手の信用を少しずつ勝ち取っていく」
DIO「フランス料理のフルコースが癖の少ないスープなどから始まるように、じっくりと満足させていく」

男は立ち上がって、私を鷹の如き眼光で睨みつけた その笑みは、獲物を捕らえた肉食獣の浮かべる笑みへと変わっていく

DIO「だがお前は、私の名前を聞くよりも早く私の本質を言い当てた 気に入ったぞ」

男が月明かりを遮る障壁となり、周りの光景が暗くフェードアウトする

DIO「私のものになれ 絶対の安心をくれてやろう」
アヴドゥル「>>25

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:43:44 ID:x7ff59f70
だが断る

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:49:09 ID:bTY7j3fP0
「ブタの逆はシャケだぜ!」と叫びながら逃走

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:49:16 ID:WHrIDRRh0
CFH

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:56:05 ID:ciXvayMt0
>>25
容赦ねぇwwwww

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:54:25 ID:n5aU7W220
問答無用かよwwwwwwww

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 18:57:50 ID:nQ/cAgkp0
♀≡ 乂(゚д゚#)クロスファイヤーハリケーン!

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:04:18 ID:kZmbzbXP0
アヴドゥル「クロス・ファイヤー・ハリケーン!」

私の分身たるスタンド、マジシャンズ・レッドを呼び出すまでに0.1秒
熱を凝縮してアンク状の弾を構成するまでに0.5秒
着弾までに要する総時間は、この近距離においては1秒を切る

アヴドゥル「最後の占い、貴様の本質を当ててやろう! お前の心に根差すのは、邪悪の黒! その闇ごと炭にしてくれる」

私は椅子から跳ね上がって横に飛ぶ 熱の余波で自らが傷つくのを防ぐためだ

――

DIO「良い攻撃だ 早く! 正確で! 迷いが無い!」

次の瞬間、男は私の肩を叩いて、私の技を称賛していた

アヴドゥル「う、うぬうう!?」

私は心の底から恐怖した
傍らのマジシャンズレッドの熱を感じながら、同時に底知れない冷たさに震えていた

DIO「良い組織を作る方法を知っているか? それは寛容であることだよアヴドゥル」
DIO「才能と忠誠に対して最大限の寛容を示し、そして愚鈍な馬鹿に寛容なる引導を渡すことだ」

DIO「アヴドゥル お前に渡すべき寛容さはどちらだと思う?」

男はわざわざ後ろに数歩引いてから手を組む
まるで、私に抵抗の余地を残すように、男は静かに私の挙動を見守っている 動けなかった

こうなったら…… >>35

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:05:55 ID:nQ/cAgkp0
♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀≡ 乂(゚д゚#)クロスファイヤーハリケーンスペシャル!

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:08:10 ID:ZLhFerSo0
逃げるんだよォ~ッ!

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:08:13 ID:v469qjV+0
逃げるんだよおおおおおおお!!!!!

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:08:36 ID:ZLhFerSo0
考えてること同じでワロタ

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:31:59 ID:kZmbzbXP0
逃げるんだよおおおおおおお!!!!!

私の中を流れる“勘”“神懸かり”“本能”といったものが同じことを叫んだ
結論にたどり着くより先に私の体は動きだし、大きく左へ飛んでいた

DIO「愚かな選択だ 誇りと安全の両方を失い、何も得るところが無い」

男は私を追って走り出そうとし

アヴドゥル「私の行動に無謀や無駄は無い! 下を見るんだな!」

DIO「小癪な 先ほどの炎で地面を燃やして、落とし穴を作っていたな」

ぎりぎりのところで男は足を止め、穴に足を取られることは無い
稼げた時間は僅か、しかしこの土地の小道なら知り尽くしている 僅かな時間で十分だ

全身全霊を込めて走り出す 生きるために私の体は骨を折らんほどの勢いで動いた

DIO「貴様の才能に免じて、逃がしてやろう……」
DIO「だが代わりに! アヴドゥル、貴様はこれから毎晩オレのことを思い出して布団の中でブルブル震えて朝日を待つことになる」

DIO「恐怖と共に刻むがいい オレの名は、ディオ!」

私は目の前の分かれ道で左右のどちらも選ばず、塀を越えてその内側にうずくまった
雨上がりの猫のように身体を震わせる私には、プライドの欠片も残されていなかった

ディオ……ディオ……ディオ……
名前と顔のイメージ、そして威圧感が離れない 私は一晩を徹して震え続けた

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:37:29 ID:WHrIDRRh0
第三部完!

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:38:31 ID:6ip8U1fG0
良い終わり方だった

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:39:00 ID:kZmbzbXP0
翌朝 朝日が差し込んできて、私はようやく立ち上がった
冷や汗で身体が濡れていたのもあって、早朝の寒さはとても堪えた

しかしディオの邪悪な冷たさに比べれば、朝露の冷たさは日常的なものとしてむしろ歓迎できた

私は太陽を眼にして考えた

あの邪悪を打倒せねばならない 何に変えても、ディオを滅ぼさなければならない
私の誇りのためではない この世界のために、誰かがやらなければならない

アヴドゥル「ディオを、倒す……」

言葉にすれば勇気が出てくるかと思ったが、むしろ現実感の無さを再認識することになった
自分ひとりでは倒せない 仲間がいる 心を支え合える本当の友、闇を貫く一等星のような味方が要る

タロットも水晶も置いてきてしまった 椅子やテーブルは炎の余波で燃え始めていた気がする
もはや占い師を続けてはいられない

アヴドゥル「そうだ…… >>50へ行こう」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:41:03 ID:rUip++2q0
イタリア

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:41:41 ID:snccUR820
京都

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:43:52 ID:ZLhFerSo0
旅行気分じゃねーか

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:43:56 ID:JKLn+/wvO
ジジイ無視か

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:50:29 ID:kZmbzbXP0
アブドゥル「そうだ 京都、行こう。」

"沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす"が、やっと今、分かった
私は失意に暮れたままパスポートを取り直し、遠く日本は京都へと旅立った

昔から旅には慣れている アラビア語は勿論のこと、英語や日本語くらいは話せる
旅自体に不安は無く、ただディオのことを忘れるためだけに遠く日本を選んだ



飛行機の飛び立っていく音を聞きながら、私は歩き出す
空港から降りてすぐの場所で、私は人目を引く人物を見かけた

私は吸い寄せられるようにして、>>66に話しかけた

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:51:01 ID:LiOTOXm60
アレッシー

65: 忍法帖【Lv=39,xxxPT】 [sage]: 2011/11/09 19:51:15 ID:84c2GbG/0
ジョナサン

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:51:19 ID:LiOTOXm60
ジョルノ

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 19:52:09 ID:ZLhFerSo0
ジョルノ幾つだよww

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:03:20 ID:kZmbzbXP0
その少年は泣いていた
側の女性はただ黙れ、静かにしろ、と叱るばかりだった

その言葉には悲しいほど愛が感じられず、子供を荷物としか見ていないようだった

アヴドゥル「どうした少年 このモハメド・アヴドゥルに話してみろ」

ジョルノ「う、えぐ、ふぁああん」

近くで見れば、少年という言葉ですら不釣り合いなほどに幼かった
同時にどこか大人びた表情もまた、涙の合間から見て取れた

母親「人のことに首を突っ込まないでもらえます?」

母親らしき女性が少し物怖じしながら私を静止したが、気に解さないで続ける

アヴドゥル「少年 占いというものを知っているか?」

母親「これだから外国人は……人の気持ちも考えないで……」



アヴドゥル「まずはお前が泣いている理由を占ってやろう 勘でな!」

黒髪に黒目、しかし日本人らしくない高低のはっきりした顔の作り
母親のはっきりしない態度と、少年の眼の奥に潜む強い光

そこに占い師である私の才覚が加われば、答えは一つ

アブドゥル「お前のが泣いている理由、それは >>88

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:04:22 ID:NM9n1ktT0
親の愛が欲しい

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:04:42 ID:Vw1XYAzN0
タマネギ切ってるから

88: 忍法帖【Lv=39,xxxPT】 [sage]: 2011/11/09 20:04:43 ID:84c2GbG/0
犬を焼却炉で焼かれた

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:05:38 ID:WHrIDRRh0
ダニィィイイイイイイイイ

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:06:33 ID:rUip++2q0
ジョースターの血が濃いなwww

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:07:10 ID:NM9n1ktT0
ダニィィイイイイーッ!

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:15:21 ID:kZmbzbXP0
乱雑にまとめられた黒髪に混ざる短い獣の毛 微かに匂う火の跡

アヴドゥル「犬を焼却炉で焼かれたからだな!」

思わず大声を出してしまって、空港内の人の視線を集めてしまった

母親「な、何!? 何言ってるのよ」

傍らの女性は見るからに狼狽していた 当たりのようだ
少年は何も答えないが、その視線もまた正解だと言っていた

アヴドゥル「あの母親の様子だと、家で飼っていたわけではないな……」
アヴドゥル「近くの野良犬に自分を重ねて、食事を分けていた といったところか」

ジョルノ「……」

少年は答えない しかしもう泣いてもいなかった
私を見つめる目には、不信と不安と少しの期待が籠っていた 私の客の典型だ

アヴドゥル「失われた命を取り戻すことはけっしてできない 占い師は神ではないのだ」
アヴドゥル「だが占い師には別の仕事がある 君の未来に希望の光を与えることだ」

日本語は母国語ではないので、子供向けに簡単な言葉を使うといった配慮はできない
私の言葉をどれほど理解しているのかも分からない

アヴドゥル「占おう、勘で! 君はもうすぐギャングの男と出会う 彼は君に助けを求める」
アヴドゥル「その時君は、母の言いつけと関係無しに、自分の意志でどうするか決めるといい!」

101: 忍法帖【Lv=39,xxxPT】 [sage]: 2011/11/09 20:17:02 ID:84c2GbG/0
そうくるか

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:26:38 ID:kZmbzbXP0
少年の頭を軽く撫でてやると、少年も私に抱きよってきた

アヴドゥル「君の運命は、君が開くんだ…… いいな」

そこまで言うと、母親が少年を引きはがし、連れて行ってしまった


アヴドゥル「ん?」

久しぶりのちゃんとした占いが終わった後で、私は自分の肩に違和感を覚えた
その場所はちょうどディオが私の技を褒めながら叩いたところだった
怖気を思い出しながら肩に触ると、どういうわけかカエルがいた

カエル「けろっ」

つぶらな瞳がこちらを見つめている
敵意は感じず、むしろこちらに好意を抱いているように思えた

しばらくカエルと見つめ合ったのち、私はカエルが肩に乗っていた理由を探すことを諦めた
その日は、せっかく注目を浴びたので空港で怒られるまで占いをやった


アヴドゥル「さて、京都駅についたが…… まずは>>111へ行こうか」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:27:54 ID:x7ff59f70
嵐山

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:28:11 ID:n5aU7W220
京都アニメーション

111: 忍法帖【Lv=39,xxxPT】 [sage]: 2011/11/09 20:28:29 ID:84c2GbG/0
教兄

115: 忍法帖【Lv=39,xxxPT】 [sage]: 2011/11/09 20:29:10 ID:84c2GbG/0
>>111だが京アニで

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:33:01 ID:vMDlBbaw0
もの凄くジョジョっぽいな

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:36:00 ID:n5aU7W220
すた☆んど爆誕やでぇ

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:38:35 ID:84c2GbG/0
アヴドゥル「HTT!!」

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:38:39 ID:kZmbzbXP0
アヴドゥル「まずは京都アニメーションに行こう」
アヴドゥル「まだ四年前に設立されたばかりの誰も目に付けていない会社」
アヴドゥル「しかし私の占いではこれから大きな波に乗るとでている 先行投資というやつだ」


私はその薄汚れた、しかし未来へつながるだろう扉を手の甲で叩く

アヴドゥル「ノックしてアヴドゥル!」

社員「な、なんだ このブ男!」

ノックから間髪入れずしてノブを回す その私の容姿に対してすぐさま反応を返すとは流石私の見込んだ会社
考察の内容が的外れなのは、日本とエジプトでの価値観の違いのせいだろう

アヴドゥル「私はさすらいの占い師モハメド・アヴドゥル! 君たちの才能を見込んで投資にきた」

社員「また投資の話!?」

アヴドゥル「また……?」

花京院「この会社は既に僕が目をつけている!」

そこにいたのは、学生服を着た日本の青年だった
長い髪、細く引き締まった体は、オタクというより忍者を思わせる

アヴドゥル「何!」

花京院「この会社はおそ松君の下絵程度で終わるところではない、というのはあなたもお分かりのようだ」
花京院「だが外国人に助けられたのでは、日本の文化は開花しきれない!」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:39:55 ID:rUip++2q0
このてんめいは駄目だ

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:41:47 ID:nQ/cAgkp0
何してんだ花京院w

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:44:00 ID:LiOTOXm60
花京院…やるなッ!!

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:49:30 ID:kZmbzbXP0
アヴドゥル「しかし君は見たところ学生のようだ 君に何ができる」

花京院「こう見えても、僕は大人気テレビゲームF-MEGAの国内王者でね」
花京院「今この手の中には、その時の優勝賞金が収まっている」

黒い瞳には、揺らぐことの無い意志が見て取れた
もはや争う気は無かったが、この青年を持った知りたくなった 私は一石を投じて反応を見る

アヴドゥル「どういったビジョンを持っている 君はそのお金で何をする」

花京院「ふふふ……この花京院典明は何もしない!」

アヴドゥル「静止! しかし貴様のそれは逃げや悩みではない、確固たる選択!」

花京院「そう! 僕は京都アニメーションの進化は、自力で行われるべきだと考える」
花京院「プレッシャーを与えるのも、方向性を示唆するのも良くない 僕はこのお金を、使わせない!」

花京院「万が一の危機にのみ、京都アニメーションを救う最後の砦としてこの札束を贈呈しようと考える」

濁りの無い良い視線だった 真正面から私を覗いていた
座ったままであり、位置としては私が上にも関わらず、その眼は真正面から突き刺さってきたのだ

アヴドゥル「よかろう! 京都アニメーションは、君に任せた!」

そしてその様子を、1つの人間模様として観察するような様子で見守る社員たちもまた、只者ではない
この会社に私の支援は必要ない 私は確信した

花京院「そして聞こう! あなたのその肩のカエルは何だ!」
アヴドゥル「ふふふふ……分からん!」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:54:29 ID:C/rlkOqY0
なんだこれ

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:54:51 ID:84c2GbG/0
このノリ嫌いじゃないぜ

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 20:59:18 ID:kZmbzbXP0
しばらく遡り、アメリカ、ニューヨーク

ジョセフ「ぐぐぐ……駄目だ やはり大雑把にしか念写できない」
ジョセフ「ディオの力は感じるが、その位置にまったく見当がつかないせいじゃろうな」

白いテーブルクロスの上に、インスタントカメラがいくつも並べられている
そしてその多くは、打撃によって粉砕されながら同一の写真を吐き出していた

ジョセフ「もう一回じゃ……せいやぁ!」

ジョセフの手刀がインスタントカメラを打つ
波紋の修行の成果か、その身体は老いてもなお強く、一撃にしてカメラを砕いた

ジョセフ「こ、これは 新しい写真!」

カメラから出てきた写真には、アヴドゥルの上半身が映し出され、肩にはカエルが乗っていた

ジョセフ「これまでより鮮明……そしてこの写真、ディオではない!?」
ジョセフ「この背景は忌まわしきジャパンの京都のようだが、男はエジプト風 どういうことなんじゃ」

手に取って不鮮明な部分まで眼をこらすも、それ以上の情報は得られない

ジョセフ「わしのスタンドはディオの気を捉えて確かに念写を行った 京都にいくしかない、ということか」

ジョセフ「京都といえば……>>138

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:00:52 ID:RYN9edtB0
清水寺

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:00:59 ID:+JWnN2L00
芸者

138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:01:20 ID:n5aU7W220
やつはし

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:08:44 ID:8TplitGYO
ジョセフらしい発想だな

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:23:28 ID:kZmbzbXP0
ジョセフ「このブ男、荷物の少なさからするに旅行者!」
ジョセフ「旅行で京都となれば、芸者の他にあるまい! 百人に聞いたら百人がそう思う! わしだってそう思う」

ジョセフ「そうと決まれば、芸者のところへ急ぎ直行じゃ」



花京院「どうですか、アヴドゥルさん」

アヴドゥル「アヴドゥルでいいと言っているだろう、典明」

花京院「花京院で、お願いします」

芸者! それは江戸時代の忘れ形見 日本が誇る伝統芸能にして、現在における一つの異界
厳しいルールの下に統制された芸者は、その時代錯誤とも取れるスタイルに周囲を巻き込み、江戸へと心を運ぶ魔術師!

二人は宿を取り、芸者を呼ぶかどうかの話し合いをしていた! 花街の入り口でもめる二人は異様としかいいようがない

アヴドゥル「京都だから芸者、というのは少し短絡的すぎないか?」

花京院「基本を押さえずして動くなど愚の極み 芸者くらいは見て帰るべきです」

カエル「げろっ」

アヴドゥル「しかし……ほら、カエルが芸者に嫌がられるかもしれない」

花京院「大体何でカエルなんて連れてるんですか」

アヴドゥル「分からないと言っただろう」

147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:25:51 ID:n5aU7W220
久々に安価取ったと思ったら…
まぁいいけど。

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:33:21 ID:kZmbzbXP0
>>147
うわっ 間違えてたごめん!

うそつきではないのです まちがいをするだけなのです……

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:28:06 ID:KZpaiAP2O
意外!それは安価ミス!

151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:31:55 ID:kZmbzbXP0
ジョセフ「何故芸者を会わせてくれないんじゃ!」

お店の人「うちは一見さんお断りだと言ってるでしょう」

ジョセフ「いちげんさんってなんじゃ! 金ならあると言っとるじゃろう」

店の外で、もめる英国系の老人 お国柄、怒りを表明する時でさえ朗らかな表情は、交渉の武器!
しかしそれ以上に芸者界の掟は厳しかった! やがて老人は折れ、花街入口の二人組を眼にする

ジョセフ「お、お前は……!」

花京院「アヴドゥルさん、何か外人に詰め寄られてますよ」

アヴドゥル「何か用でしょうか」

ジョセフ「この写真に見覚えは無いかね!?」

そういって取り出したのは、薄い透明の袋に保管された一枚の写真――アヴドゥルとカエル

アヴドゥル「Yes! I am! モハメド・アヴドゥル!」

ジョセフ「ま、間違えた…… こっちじゃ」

といったいそいそともう一枚の写真を取り出した
爽やかなほほ笑みを見るに、間違いではなく場の雰囲気を作る策だったのかもしれないと私は後で思った

アヴドゥル「後ろ姿だが間違いありません! この男は……」

花京院「ディオ! ディオは僕に……>>159

153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:33:42 ID:84c2GbG/0
アヴドゥルとジョセフはここで出会ったのか

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:33:47 ID:BCd+IW760
やつはしをくれた

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:34:17 ID:84c2GbG/0
スパゲッティを食わせてくれた

157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:34:27 ID:UBdZAwv70
アブドゥル・アドフ先生

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:34:32 ID:bTY7j3fP0
ニンニクの芽を植え付けたんです!

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:35:14 ID:n5aU7W220
貯水槽に叩き込まれた

168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:42:58 ID:WHrIDRRh0
ディオはやっぱり小物だったwwwwwww

171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:46:08 ID:kZmbzbXP0
花京院「ディオは僕に、貯水槽に叩きこまれた男です」

ジョセフ「なんじゃと!?」

アヴドゥル「あの、あの暗黒の化身たるディオが!?」

ジョセフ「話してくれ、若い人」



あれは僕がF-MEGAの大会で優勝して帰ろうとしていた時のことだった
自宅のマンションでエレベーターに乗ったところ、後から柄の悪い二人が乗り込んできた

チンピラ1「おい坊主、何浮かれてんだよ」
チンピラ2「満足で頬を膨らましてるのを見るとなぁ、ムカムカするんだよ!」

それは僕の地元の不良だった 名前すら憶えてない奴らだ
一人は髪を金に染めていて、根元のところだけ黒が残っているのがみすぼらしかった
もう一人は変なガニマタで迫ってくるものだから、思わず笑いそうになった

こんな奴とちゃんとした会話をすることはできない
そう思って、僕はしばらくは無抵抗でいました

その頃の僕はまだスタンドを戦いに使う経験が浅く、こんな狭いところで攻撃すると手加減が上手くできないかもしれないと思ったからです

二人は僕の胸を掴んだり、腹を殴ったりしました
スタンドを間に挟むことでダメージは抑えられたので、大したことはありませんでした

173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:54:19 ID:UcTPLzRx0

174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 21:55:14 ID:kZmbzbXP0
エレベーターのボタンが押されていなかったため、エレベーターは最上階まで上がり続けました

二人の不良がドアが開くタイミングに合わせて攻撃をやめ、少し顔色の悪くなった僕を上手く背に隠しました
そのままドアから出て行く不良に連れられて外に出ました

DIO「おい」

チンピラ1「なんだ?」

DIO「お前に話しかけているわけではない」

チンピラ2「あぁ?」

その体格の良い金髪の男は、終始僕を見つめていました
キラキラと星のように光る眼は、だからこそ底知れない宇宙の闇を予感させ、僕はいくらか恐怖しました

チンピラ2「やっぎゃあああ!」

突然奇妙な叫びと共にガニマタ歩きの不良がエレベーターに叩きこまれました
すぐにエレベーターのドアは閉まり、不良を乗せたエレベーターは下へ降りていきました

チンピラ1「う、うああ!?」

DIO「もう一人も叩き込むつもりだったが…… まだ身体が馴染みきっていない、か」

僕ははっきりと断言できます その男、DIOは間違いなく一歩も動いていなかった
にもかかわらず、気配だけでもう一人の不良も殺すつもりだとはっきり分かった

178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 22:00:12 ID:XR+9euLl0
これはかなりジョジョっぽいよなぁ

182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 22:08:27 ID:kZmbzbXP0
花京院「おい、逃げるぞ!」

僕は気づいたら、髪を染めた不良の手を引いて屋上への階段を駆け上がっていました
今になって思えば、目の前で人が死ぬところを見たくなかった、なんて理由付けもできますが……

正直に言うと、僕は錯乱していた 僕まで殺されるような気がしたんです

DIO「怯えるなよ花京院 こっちで来るんだ 友達になろう」

優しい声にはまるで作った風が無く、僕は本当にそちらへ歩み寄ろうかと思ったくらいです
でもエレベーターに叩き込まれた奴の体がしわしわになって、身体から血の気が消えている様子を思い出して、屋上に出ました

DIO「花京院…… 君には才能がある そして才能にはそれを活かすべき場所が必要だ」

男は落ち着いた歩調で階段を昇っているのですが、その大柄な体格のせいもあり、迫ってくるにつれて大きく見えてきて、僕は竦み上がりました

花京院「お前、何者だ まさか……見えるのか!?」

生まれてこの方本当の友達が作れなかった理由、僕の側に立つ存在を横に出現させました

DIO「美しい緑だ 曲線に模られた造形は無駄が無い 良いスタンドだ」
DIO「想いを貫く線、お前の信念の如きものを感じる 気に入った このDIOが名前をやろう」

僕はこの時初めて、この存在がスタンドというのだと知りました

DIO「ハイエロファント・エメラルド、というのはどうだ」

チンピラ1「ひ、ひえええ!」

DIO「無駄な存在だな 君との記念すべき出会いに相応しくないゲスだ」

183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 22:10:23 ID:84c2GbG/0
こいつはガチですげぇ
本編の回収をうまくしている

184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 22:11:34 ID:UcTPLzRx0
きっちり「エメラルド」なんだな

186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 22:19:24 ID:jwQTRD4A0
恥知らずの紫煙だと

187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 22:24:38 ID:kZmbzbXP0
F-MEGAに明け暮れるうちに夕日は暮れ切り、とうに空は夜闇に閉ざされていました
沈み込んだ空気の中、不良の間の抜けた悲鳴は良く響きました

DIO「素敵な出会いに必要なものは二つある」
DIO「一つは運命だ これはどうしようもない 人間である以上は……な」

DIO「そしてもう一つは、その場を整える努力だ 静かな音楽、気の利いたカーペット 人間は雰囲気で動く」

そういって金髪の男は不良に向かって走り出しました

花京院「ハイエロファント!」

無意識! 先ほど与えられたばかりの名を呼んでいた驚き
そして不良のために男に立ち向かっていた驚き

DIO「花京院 君は何をしているか分かっていないようだ 少し頭を冷やそうか」

確かに僕は何をしているか分かっていない状態だった
それを的確に指摘されたことで、余計に動揺した

しかしゲームの中で培った経験が僕と駆り立てた 動揺している時ほど、脳は良く動く その一瞬を捉えれば、意表をついた攻撃ができる

DIO「君の心には空白がある その白い部分を、このディオが、埋めてやろうと言っているのだ」

花京院「ハイエロファントの骨格部は白い 闇の中でも良く見える」
花京院「だが緑の本体は、夜の中では見づらいんじゃあないかな?」

既に糸状となったハイエロファントの一部が、ディオの首を取り囲んでいる
少し引けば、その首を絞めあげる! あの空気はおろか血すら通さないほど締め上げる! あの不良のように顔面蒼白になれ!

190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 22:34:24 ID:nQ/cAgkp0
光景が目に浮かぶなあ

192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 22:37:03 ID:kZmbzbXP0
ディオ「残念だよ花京院 君とは良い関係が築けそうだったというのに」

ハイエロファントはディオを締め上げるはずだった!
が一瞬にして男はハイエロファントを引き裂いている

花京院「うぐっ!」

ダメージが自分に返り、腕が少し避けて血が流れ出た 一歩、後ずさりする

チンピラ1「なんだ、なんなんだよぉ! 俺はまだ金取っちゃいねえんだよぉ」

DIO「力の差は分かっただろう? 蛮勇と勇気を取り違えてはならない」

ディオは僕の身体を上から下までじっくりと撫でまわすように見た
不思議と嫌な感じはせず、ただただ畏怖だけを感じた その場にひれ伏したい気分だった

DIO「仏の顔も三度まで、という言葉を知っているかな? 日本のことわざというやつだよ お前が満足できるように、三回のチャンスをやろう」

DIO「ゲームだよ花京院 三回まで君は攻撃の権利がある そのうち一回でもこのディオを傷つけることができたなら、ここは退こう」
DIO「だが三回のチャンスを全て失敗したなら、お前はディオのものとなる」

自然と頭を垂れたくなる気持ちを断ち切ったのは、このディオの言葉だった
策が思い浮かんだ 試さないわけには、いかなかった
繰り返すが、この時の僕は普通じゃなかったんだ

花京院「この花京院、受けよう!」

DIO「潔し! さあいくらでも時間を使って考えるが良い!」

197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 22:48:32 ID:kZmbzbXP0
DIO「後ろのクズは帰しても構わんぞ」

花京院「いや、これでいい 守るものがあった方が燃えるだろう?」

DIO「守る、か あんな蛆虫以下のゴミを守る、か! 無駄なことよ! これからお前にはこのディオという真に守るべきものをくれてやろう」

今僕にある策は二つ
このマンションの屋上は、ほんのわずかだけ傾いている!
その結果さっき流れた僕の血が、ディオの方へ流れて行っているはずだ
暗闇で良く見えないが、間違いない そしてこの闇は、ディオにとっても目くらましとなり、血を隠す

急に動けば、足元の血で体勢を崩す! これが一つ

そしてさっきあのダサい不良が叫んでいたから、近いうちに誰かがこの場に来るはずだ
その瞬間、背後に気を取られてディオの警戒は必ず緩む!

DIO「ふっふっふっ……」

堂々たる立ち姿、夜の中にあって逆に輝く眼は、本当に隙を見せるのか?
丸太のような隆々たる足は、本当に血などで滑るのか?

見れば見るほどに自信が無くなっていく

花京院「しばらく待ってくれないかな そう時間は取らない セブンブリッジの一戦程度の時間で良い」
花京院「僕は確実に勝てると踏んでから動くタイプでね」

DIO「よかろう だが、本当にそれでいいのかな……?」

意味深な言葉が妙に深く心を抉る 気にするな花京院典明! 勝てると踏んだからこそ僕は動いているのだ!

198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 22:51:50 ID:n5aU7W220
あれ? 主人公花京院だっけ?

210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 23:19:57 ID:kZmbzbXP0
どれほどの時間が経ったか分からない、一時間か二時間か、はたまた三分程度だったかもしれない

階段を昇ってくる音がした

相手の様子をうかがうよりも早く、僕とハイエロファント・エメラルドは動いた

花京院「エメラルド・スプラッシュ!」

大量の宝玉状に固めたスタンド・エネルギーを放出、そしてすぐさまディオに接近

ディオ「一回だな」

ディオは人差し指で宝玉の一つを突いた
僅かにスタンドの像が重なっているように見えたが、その形をはっきりと認識することはできない

玉突きのように、一つがぶつかってまた一つにぶつかって全てのエメラルド・スプラッシュの軌道がずれる

花京院「だがエメラルド・スプラッシュに気を取られたな!」

ハイエロファントはエメラルドスプラッシュの影に隠れてディオのすぐ横に到達している
緑色の拳がディオに向かって振るわれる

前には花京院本体、左隣からハイエロファントの打撃、背後には階段
避けるには右に飛ぶほかない!

花京院「読んでいたぞ! そしてそこには既にハイエロファントの糸がトラップとして仕掛けられている」

単体なら避けることは造作もない しかし血の僅かな滑りがディオの着地を不安定にする
ディオ「ザ・ワールド!」

212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 23:27:47 ID:kZmbzbXP0
ディオ「まさか時を止める能力を発動するまで追いつめられるとは思わなかったぞ」

足元で上がる血飛沫は空中に留まり続け、ハイエロファントの右ストレートはダイナミックな彫像と化す
時を止める! 世界を貫く要素の中でも特別、時間を支配するディオの能力!

ディオは余裕を持ってハイエロファントの糸を踏みつけて着地を果たす
本来ならエメラルドスプラッシュの飛んでくるスイッチとなるべき其れは、時の止まった世界では無力

ディオは数歩歩いて花京院の後ろに移動した

ディオ「そして時は動き出す」

花京院「かかったな! エメラルド・スプラッ……!?」

ディオ「最初のエメラルド・スプラッシュ 二回目のストレート、そして三回目の糸の罠によるエメラルドスプラッシュ」

ディオ「花京院、お前はよくやった」

声が後ろから聞こえてくるのが信じられなかった
ゆっくり、ゆっくり 振り向きたくないのに僕は振り向いていた

一体どんな顔をしていたんだろう きっとドブの中に押し込められたネズミみたいな顔をしていたはずだ

そのとき、階段を上がってきた人物が、姿を見せた

その人物とは……>>215

213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 23:29:45 ID:n5aU7W220
ここで安価とは勇気あるな
kskst

215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 23:30:03 ID:dxnUv1/H0
ディアボロ

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 23:30:42 ID:WHrIDRRh0
五部の伏線までも回収させる気かwwwww

217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 23:31:18 ID:n5aU7W220
まさかの『時間停止』と『時間跳躍』の夢のカードッ!!

『期待』せずにはいられないッ!!

221: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 23:40:11 ID:kZmbzbXP0
僕は勝負に負け、自然と腰を折り始めていた
45度ほど傾いたところで、そいつはやってきた

ディアボロ「ディオ、見つけたぞ……」

ディオ「邪魔が入ったか いや、歓迎しよう 才能ある者には称賛を送るのがこのディオの主義」

そのピンクに緑を散らした妙な髪、丸い切れ込みの入った斬新過ぎる服
しかしディオと同等クラスの威圧感を備えた男だった

ディアボロ「お前は私の絶頂を脅かす唯一の存在! 私の全てを乗り込める力は完璧だが、しかし一つ弱点がある」

ディオ「貴様が下り坂を飛び越すなら、初めから足元に落とし穴を作ってやればいい!」

二人の男の目線は交錯し、火花が散った
とても僕に介入できるレベルではないと思ったよ マジに膝が笑い出した 立ってられなかった

ディオ・ディアボロ「決着をつけよう!」

ディアボロ「キング・クリムゾン!」
ディオ「ザ・ワールド!」

ディアボロ「見えるぞ、貴様の動きの軌跡! 同時に複数個所に存在している、一寸遅れて時を止めたようだな」
ディアボロ「ここはまず避けて、隙を伺う! 射程外から完璧なタイミングでの一撃を入れてやる」

ディオ「ハッ! 移動された、また時を飛ばされたようだな! だがザ・ワールドに死角は無い! 時よ止まれ!」

花京院(何が何だか分からない……!)

225: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 23:49:35 ID:U9OZKY7i0
花京院視点だと二人がパッパッと瞬間移動してる感じなんだろうか

226: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 23:51:55 ID:kZmbzbXP0
ディオ「万が一を考えて一本ナイフを携帯していた…… これを貴様の胸に投げつける! さあ、どうなるかなあああ!?」

ディオ「そして時は動き出す!」

ディアボロ「うぐっ! だがそのビジョンは既にエピタフによって予知済みよ!」
ディアボロ「一瞬早く、このチンピラ野郎がポケットに入れていた金属板……いや刃物か それを服の中に隠していた」

僕が見たことをそのまま言おう
一瞬にしてディオとディアボロが移動していて、次の瞬間にはディアボロにナイフがぶつかっていた
でもそのナイフは、金属板にぶつかって跳ね返されていた

あの小さな金属板が、片方の面だけが刃物になっているものなのは知っている
どこまでが刃でどこまでが柄なのか曖昧にすることで銃刀法を潜り抜ける、とかいう代物なのも知っている

だがそれしか分からなかった!

ディアボロ「キングクリムゾン! 見えるぞ、お前の明らかな隙が!」
ディアボロ「やはり連続しての時間停止はできないと見た! くらえっ!」

ディオ「残念、見えていなかったようだな」

時間が飛んでいる間の出来事、階段からもう一人が上がってきている
ディオに吹っ飛ばされた不良が、屍生人となって、上がってきたのだ!

チンピラ2「乾くんだよおおおおおぉ」

キングクリムゾンの攻撃はディオの顔面を捉えるが、直後に屍生人にディアボロが抱きつかれる!

227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/09 23:55:34 ID:wx5rMGkt0
『先』を読んでいないッ! 『時間の先』をッ!

230: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/10 00:05:37 ID:OwEeXOs60
ディアボロ「いや、これでいい! これが俺の戦略! もう一度時を吹っ飛ばす!」

逃げようとしたチンピラ野郎は、己はいつ屋上を飛び出したか知ることも無く
固まりだした床の血は、いつまで流れていたのか知る由も無し

ディアボロ「そして夜の明ける瞬間を、夜の主さえ認識しないッ!」

ディオ「な、何、朝日だとぉおおおお!?」


何が起こったのかは分からない 突如として現れた太陽がゾンビと化したチンピラを焼き滅ぼしている
そしてあの無敵としか思えなかったディオの身体が、表面から灰となって崩れ始めてる

ディアボロ「チェックメイトだ お前はこの場所とこの時間を選んだ時点で詰んでいた」
ディアボロ「良い出会いには、その場を整える努力が必要だ 覚えておくんだな、ディオ」

ピンク髪の方も、明らかに憔悴していた
頬がこけ、体も少し縮んだように見える 生命を吸い取られたように、声にも張りが無かった
そのままその場に倒れた バタリと言う音は、しかし確かな達成感を持っていた

花京院「ディオ……僕は三回負けた 今の僕はあなたのものだ」
花京院「だから受けとけ、ハイエロファント・エメラルド!」

ハイエロファント・エメラルドの全力をもって崩れゆくディオの身体を殴り飛ばす!
その方向は、貯水槽!

花京院「貯水槽の中なら、壁に遮られて日光は当たらないでしょう……」
花京院「壁に空いた穴から少しは入るかもしれませんが、水面で反射して大部分は水中には入りません」

ディオの身体はハイエロファントの全力を持って吹っ飛ばされ、貯水槽の壁を突き破り、中に落ち着いた

232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/10 00:08:00 ID:lIdZehjt0
こう回収するのか。上手いなぁ

233: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/10 00:08:12 ID:SKTv8LLG0
貯水槽に繋がった!

235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/10 00:13:34 ID:OwEeXOs60
花京院「借りは返しましたよ、ディオ」

その場には正体不明の男が仰向けにぶっ倒れている
どうこうする気は無かったし、その体力も、精神力も無かった

ヒマラヤを登頂して帰ってきた気分だった
魂が凍りついていて、その時の僕には太陽が眩しすぎた

僕はそのまま屋上を立ち去り、家に帰って倒れ伏した

事件が起きた、ということさえ聞こえては来なかった
何か大規模な組織の介入でもあったのだろうと思った

彼らはどちらも、人の上に立つ器だろうだと感じていたから、その結果に不思議は無い
ただディオの前に頭を下げていて自分のことだけが、心の奥にこびりついて剥がれない
いや、心の奥の部分を作り替えられてしまった気分だった

僕はもやもやした気分を抱えたまま、F-MEGAの賞金を元手に企業投資を始め、一部で子供実業家として有名になっていった

花京院「僕の話はここまでです」

アヴドゥル「信じがたい話だ」

ジョセフ「わしの半生ほどじゃあないが、凄い話じゃった」

カエル「けろけろー」

236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/10 00:16:22 ID:OwEeXOs60
というわけでキリがいいところでそろそろ寝る
なんかもう半年分くらいの生気を使い果たした気がするぜ…… 死にそう

一ヶ月くらいしたら再開したいな、と思ってるけろけろー

238: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/10 00:16:45 ID:iUuBWKgk0
>>236
乙。

239: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/10 00:17:49 ID:lIdZehjt0
乙…マジ乙…。
久しぶりに面白い安価スレだた

240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/10 00:18:10 ID:1kYrBuzC0
241: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]: 2011/11/10 00:18:16 ID:TGwhoV4K0
乙。いいもの見せてもらった

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1320829385/

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